The jonki

呼ばれて飛び出てじょじょじょじょーんき

そうか,君はアメリカから帰って1年になるんだね

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SLTでの発表で訪れたアテネを訪れたときのパルテノン神殿

この記事は,研究留学 Advent Calendar 2019 - Adventar 15日目の記事です. 昨日はKo Watanabeさんの研究留学アドベントカレンダー【14日目】|渡邉 洸(Ko Watanabe)|noteでした.

私は,カーネギーメロン大学CMU)のLanguage Technology Instituteというところに1年間留学(企業派遣)していました.CMUでは対話システムに関する研究を行っており,対話システムや機械学習は初学者でしたが,なんとかやり切りました. ですが実はもう帰国して1年以上経っています. CMUの留学準備,留学中に関しては,以前書いてしまったので,帰国後1年経って落ち着いたこの状況や当時を振り返ろうと思います. 会社派遣であるため,留学前後で同じ会社・職場なのですが,見える世界がだいぶ変わりました. 何か良いこと書こう!と思ったのですが,とくに思いつかず,後から振り返るための私的な日記となってしまいました.すみません.またタイトルに特に意味はありません.

www.jonki.net

当時の決断を振り返って

やらない後悔を恐れた自分の決断を褒めたい

私は研究室ではインターネット(特にP2P)で修士を取り,会社ではインタラクションのR&Dにいました.その事もあって,機械学習もまともに触っていない状況でした.海外で働く・勉強するということは,何となく1つの野望としては持っていたものの,そのための計画や努力をしてるとは言えない状態でした.企業留学の説明会を聞いたときも,自分が留学メンバーに選ばれるべきでない理由は一瞬で30個ぐらい思いつきました. ただ実はこの説明会を聞いたのは2年連続で,その最初の説明会を聞いたときは弱気になって応募もしませんでした.しかし企業留学は,おそらく日系企業で働く限り,千載一遇ともいえる機会なので,この機会を逃すべきではないのではないか?と考え,そこからは考えるのをやめ,ほぼ勢いで応募しました.応募後は腹を決めて,自分のこれまでとこれからのキャリアプランを考えて,面接を勝ち抜くロジックを作りました.今振り返ると,あのタイミングで決断をせずに,また1年,2年とズラしていたら,まず間違いなく留学メンバーには選ばれなかったと思います(社内事情など).いや,まじであのときの俺GJ.ここで1つの世界線が変わりました.ちなみにたとえこの時の面接が落ちていたとしてもプラスになっていたと思います.というのも面接を勝ち抜く上で面接官(投資家)にアピールするためには,自分のキャリア・ポテンシャルを整理し,説得する必要があります.キャリアを見つめる機会というのは,なおざりにしがちだったので,この時の思考はとても良かったものだと思います.

サンプルが1である以上,それ全部生存バイアスだろ,と言われるとは思うのですが,実際そうだと思います.ただ,自分が今そう思う状況は,それ以上でもそれ以下でもないので良しとしましょう.

当時の留学を振り返って

リアル精神と時の部屋

今思うともう少し異分野の人やモノとの交流をしといたほうが,留学に多様性が出たなぁと思います.でも研究に没頭したおかげで,毎日が精神と時の部屋というか,昨日の自分より強くなった今日の自分を毎日感じるのが楽しかったです.特に私はゼロベースだったので.

日記のおすすめ

もともと会社に送る月報用に書いていたのですが,途中で用途を変えて,その日思ったこと(起きたこと,良かったこと,愚痴など),メンタルに関連する出来事を書くようにしました. 公開する予定がないので,適当に書いた箇条書きですが,書くことで意外と落ち着きますし,その日その時に思っていたことって簡単に忘れるんですよね.ラボメンに初めて会った時,英語うまくいかないとき,reject食らって先生に励まされた時,投稿締切が迫ってるけど良い結果がでない時,寒すぎる時,嫁と旅行に行った時,など当時どういうことを思っていたのか色々書いてあって気持ちが蘇ります.日記はその時の気持ちの保存作業であるので,将来のために気持ちはたくさんバックアップしておきましょう.過去の自分に励まされます.

今を振り返って

周りからの期待値が上がる

会社から帰って来て感じるのは,上司などからの期待値が上がることです.大げさに言うと,英語をマスターし,DNNを完全理解し,対話理解の真髄を知った男として扱われます.自分の中でのレベルは間違いなく向上したと感じますが,極端にそれを受け止められるのは戸惑います.それでも,周りからの期待値が低いことと違い,ポジティブなことなのでそれを励みに,プレッシャーにして,頑張れる環境なのかな,とは感じます.理由は何にせよ,一目置かれるというのは通常発生しにくい状況なので,留学という単語が強い意味を持つ日本では,これは様々な場面において,非常に有利に使える武器になると思います.

帰国後の1年間成長したのか?

しませんでした(笑)とは言いませんが,やはり留学中の精神と時の部屋での修行と比べると,今の成長スピードは練度も落ちて,モチベーションも失い気味かなぁと思います.研究テーマの選び方など,私自身の芯となる部分を形成できていないので,色々と中途半端になってしまったのは自分の責任でもあるので反省かなぁと思います.会社というのは,特にモチベーションがなくても,何かしらの仕事はあったりするもので,下手するとそういった仕事をこなしてるだけの日々になりがちなので気をつけたいです.いや,本当に.忙しく働いていると成長している気がする,んですが,そんなことはなくて,ちゃんと内容が伴っていないと,本当に時間の無駄なんですよね.会社は営利企業であるので,社員全員の意志を最大に汲むことはできないので,自分の意志にそぐわない仕事しかない場合,異動なり転職なりをしっかりと選択肢に持たないといけないと感じる1年でした.経歴や業績が貧相ですが,一応ここに私のLinkedin貼っておきます.

実力の謙遜は無駄

これは日本人の文化性もあると思うんですが,経験が浅いからとか,他分野からだとか,で「私は○○なので」とわざわざアピールして話す人がいるのですが,これ本当に勿体ないなぁと思います.周りからの期待値が下がってしまいますし,そのうち声すらかけられなくなります.また,勝手な偏見ですが,こういう人はtakeは多いけどgiveが圧倒的に少ない傾向があると思っています.「しっかりと勉強して理解してから発信します」と返されたりするのですが,その到達点というのに達してる人なんて世界に一握りしかいないので,さっさと何か出しましょう.Done is better than perfect! 私がやってるポッドキャストも,未熟なリサーチャーがやる番組ですが,多くの人が聞いてくれてますし,叩かれるどころか,フィードバックたくさんもらえてとても楽しい場になってます.inputもいいけどoutputもしていきましょう(自分への言い聞かせ).

まとめ

留学から帰って来て,今思うこと私的感情を書かせてもらいました.個人の日記にしまっとけ!と思われそうですが,心情状態を記録しておくのは悪くないと思うので,書かせていただきました.何かに挑戦するときは,やはりやらない理由を考えがちなのですが,挑戦した後の素敵な世界を想像して進みましょう.

明日は,Yuki Matsudaさんです(あとでリンク更新します)